すのおさるです。最近私は学校やバイトへの行き帰りの空気が冷たくなってきてワクワクしてます。(寒がりのくせに春夏よりか秋冬が好きなので)
今回は「ひらいて」という映画について。といっても映画を観終わったあと、書きなぐった感想なのでまとまりきってないです。が、これを見て興味を持って映画まで辿り着く方がいたら嬉しいです。
「ひらいて」
私だけが彼を好き
でも、入り込めない
それなら
好きな人の好きな人を奪えばいい
成績もよくて、明るくて目立つタイプの愛(山田杏奈)は、同じクラスの"たとえ"(作間龍斗)にずっと片思いをしている。ひっそりとした佇まいで寡黙なタイプだけど、聡明さと、どことなく謎めいた影を持つたとえの魅力は、愛だけが知っていた。そう思っていたある日、彼には「秘密の恋人」がいることを知る。それが病気がちで目立たない美雪(芋生悠)だとわかった時、いいようのない悔しさと心が張り裂けそうな想いが彼女を動かしたー。「もう、爆発しそうー」愛は美雪に近づいていく。誰も、想像しなかったカタチで・・・。
これは、誰にも言えない、わたしたちの本当のホント。
- いらつきの募り
- 美雪と愛の対比
- 嫌悪と愛しさを感じさせるキャラクター
- 結局みんな、同じだった
- 主演みんなの演技がすごかった。
- みんなは何を「ひらいた」んだろう
- ひらいて
- 楽曲ありきの
- 公式サイト
- ウラ話
- 最後に
いらつきの募り
「拒絶しないけど他人のこと嫌いだよね」
映画中盤で愛ちゃんがたとえに言った言葉。
これって悪いことなんでしょうか、私はむしろ、少し厄介ではあるけど他人に対して無関心でないたとえが羨ましいと思いました。無関心は楽だけどつまらないとも思うので。
「ずっと2人の世界にいれば良いじゃん」
いますよね。2人の世界を大切にしているカップル。あ~そうなんだねとそれを受け流せるときもあれば、ひたすらうざったく感じるときもある。同じような経験で、同じような気持ちになったことがあるので「うーんわかる。うざいよなぁ」と思いながら観てました…。(笑)
美雪と愛の対比
美雪と愛の対比が明らかすぎて切なくなる。親との関わり方とかつるんでる友達とか会話の仕方や振舞いの選び方とか。二人の今までの環境を想わずにはいられませんでした。
例えば美雪は映画のときに背中をつけなかったり、カラオケのマイクを両手で持ってたり、間奏も画面を見つめて頷いてリズム取ってたり。
愛は映画で背中を預けるし、カラオケもこなれた様子で片手で持っちゃったり歌い終わったら演奏停止すぐさま押したり。多分だけど、長いイントロとかも飛ばすんだろうな。
嫌悪と愛しさを感じさせるキャラクター
とにかく愛が小悪魔すぎる。(尚、めっちゃめちゃかわいい。)
挙動の全てが小悪魔。だけど気が強くて危なっかしくて。でも本人はそういうことしてるってことに気づいてすらないんよ。それがまた魅力的。人の愛を受け入れもしないけど別に拒絶もしない。たとえとは逆の”愛”に生きている人なのかなと思いました。
『自分のことしか考えてない』ってずっと言われてた愛ちゃんだけど、私はむしろ、「あんな風に暴力的で衝動的に生きてみたい、羨ましい」と思いました。けど、でも、あの可愛らしいのに鋭い雰囲気とか、全て計算して振る舞ってるのかと思ったら急に漏れるように出てきてしまう言葉とか。そういうのがあるから許されてるというか、成立しているんでしょうね。私じゃ出来ないし、なれない。本当、同じ”人”なのに不思議だなぁと思います。
結局みんな、同じだった
この映画の中で、大人は親と教師しか出てこない。
つまり、それくらい狭い世界の中でみんな生きてるってことで、たとえと美雪の2人に対して「狭い世界」とか言っときながら自分も、愛もそうだったんじゃないかなと。
主演みんなの演技がすごかった。
山田杏奈ちゃん
杏奈ちゃんは、以前から狂気を感じる演技が上手というか、そういう役をよくやられているなという印象がありました。
でもこの映画を見るまでは正直見くびってました。杏奈ちゃんはちゃお時代から知っていて、かわいいなとはずっと思っていたけれど他の女優さんと比べても華がある感じではなかったし(個人的にですが)、色白で背も低めで顔のパーツも丸めで、どちらかというと「かわいい」という印象でした。
でも今回の映画で、「なんだろうあの主張というか全身から発される『気』みたいなものは…。」と、なんかすごい忘れられなくて。
それで理由を考えてみたら、「目」なんです。目が訴えかけてきてる。強い目力というか鋭い眼光というか。写真を見ても凄く目に視線が行く方だなと思いました。
作間龍斗くん
浅く広くドルオタやってるので「HiHi Jetsの作間くん」というのは前から知っていたけれど、役者の作間くんは初めて見たので、あまりのハマり方にびっくりしました。
目に光がなくてどこか影があって、でも無気力なわけじゃなくて自分の中に確固たるものがある。原作未読の自分ですが、「あ、これがたとえなんだろうな。」と疑う余地なくただ、そう思いました。アイドルって知らなかったら、俳優一本でやってる人に見えると思います。凄かった。
芋生悠さん
この映画で初めて知った女優さんでしたが、多分、たくさん美雪と向き合ったんだろうなと思わせられる演技だったように思います。
一つひとつの言葉や仕草に説得力があって、後ろにあるものを感じさせるような。家族との関係性や生い立ち、病気とのこれまでの向き合い方とか、全くと言っていいほど映画の中で描かれないんですが、「こんな風に育ってきたのかな。育てられてきたのかな。」と勝手に想像できてしまうほど”美雪”でした。
みんなは何を「ひらいた」んだろう
劇中ずっと、愛ちゃんは文化祭の展示のために折鶴を折ってるんですが、それだけが愛ちゃんに似合っていない気がずっとしていました。
それこそタイトル通り、どちらかというと「ひらいて」いく方が愛ちゃんっぽい。
だから最後に愛ちゃんが鶴をひらいたときに、「これだ」という腑に落ちた感じがありました。愛ちゃんが何をひらいたのか、何を思って鶴をひらいたのかは分からないけれど、心境の変化というか。あのとき愛ちゃんに何か変化があったんだと勝手に思ってます。
ひらいて
って教室の扉だったり、制服のシャツのボタンやブラのホックだったり、自分や他人の心だったり。幼女性とか暴力性とか強かさとかのまだ見ない自分だったり、こうだって決められてしまってた自分の将来だったり…
この映画の中でそれぞれが何をひらいたんでしょうか。
楽曲ありきの
靖子ちゃんの曲がめっっちゃいい。瑞々しさと暴力さと愛しさと嫉妬と憎悪と…っていう映画の全てを詰め込んだ良曲。この曲は映画に多用されてなくて、むしろエンドロールでしか流れないけど、この一曲を聴くだけで映画のシーンとか観たときの気持ちがブワッって湧き上がってくる。やっぱり靖子ちゃんの歌が好き!!
公式サイト
公式サイトも儚くて鮮やかで、凄く綺麗です
ウラ話
youtu.be実は一時期「この劇中歌を櫻坂46が歌っているのでは!?3rd singleなのでは!??」という、映画と関係のないオタク界隈をざわつかせる騒動が起こり、一気に櫻坂ファンにも映画の名が知れ渡ることになったとさ…
櫻坂ファンの皆さん、…まぁ折角一旦ザワついたんだし、「ひらいて」観に行きませんか?
最後に
映画を見終わって現実に戻ったときに、映画の中のみんなのように自転車を飛ばしたり、よくわかってないけど走り出したくなるような。暴力的な感情をしまいたくて、取り出して誰かにぶつけてしまいたくなるような。
そんな身勝手さを否定されない心地よさと罪悪感が残る映画でした。うん、原作読んでみたい。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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